華ごころ 2008年3月宿泊
売り物である露天風呂は、冬季にはほとんど使用不可であることが(泊まってから)判明。
シーズンでで価格設定を変えてもらわないと、冬季の宿泊者は納得できないのでは。
住所 |
神奈川県箱根町強羅1320-883 |
電話 |
0460-82-5556 |
客室数 |
8室 |
HP
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http://hanagokoro.info/index-furo.htm |
食事場所 |
茶寮 心月で(2F和室タイプは部屋食可) |
連泊スコア
★★☆☆☆
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お昼は近くの喫茶店からサンドイッチをとってもらいました。
暖かい季節で露天にずっといられるのだったら連泊も楽しめるかもしれませんが、冬季は無理。 |
ひとり泊まり:平日のみOK(2名分料金-10,000円) |
子供連れ:12歳以下NG |
「どうせ、すぐぬるくなりますよ」って…!(泣) |
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●客室はGOODでした
ベッドがあり、デザイナーズ・チェアがあり、窓が大きくて明るく(本が読みやすい)、居心地のよさそうな部屋でした。
窓からの眺望がすばらしく、面積はそれほどではないのですが、閉塞感はまったくありません。
テラスのすぐ下は車道なので、嫌な人もいるでしょうが、車の通りもすくないので、私たちは特に気になりませんでした。
●「貸切風呂」の衝撃
部屋付きの露天ではなく、その部屋専用の貸切露天風呂の鍵がもらえるシステム。お風呂は8種類から選べます(2階の料金が高い部屋は指定料無料、1Fの部屋は別途かかります)。
この宿に関してはネットで賛否両論いろいろあり、最後まで迷いました。ですが擁護派のある方が「いろいろと欠点もある宿ではあるけれど、自分は”九重”のお風呂だけでも行く価値があると思っている」とおっしゃっていたので、事前に「九重」(露天の浴槽がふたつあり、面積が他の倍以上ある)を指定。
1日目は他の方の予約が入っていたので「袖の香」に。、二日目のみ「九重」が予約できました。
ところが入ってみると、部屋からかなり急な階段を降りるうえ、お湯がほとんど入れないくらいぬるくて…。
しかも、自分でお湯を足せないシステム(床板をはずして、もぐりこんでいくつかある栓のひとつを開けなければならない)
バスローブを着たまま内線で「ぬるくて入れない」と伝えると、スーツ姿の男性が来て栓を開けてくれましたが、お湯はほんとにちょろちょろ…。しかも出しっぱなしにしてくれるかと思いきや、すぐに締めてしまい、こう言ったんです。
「この寒さじゃまたすぐにぬるくなってしまうと思うので、パブリックバスに入ったほうがいいですよ」
ちょっと待ってくださいよ、このお風呂がこの宿の売りじゃないんですか?
雑誌にだって、ほとんどこのお風呂の写真しか載ってないですよね?
という大きな疑問が顔にだだもれだったのでしょう、スタッフは私の目を見ないで逃げるように去っていきました…
翌日の「九重」は、半露天の「袖の香」よりさらに開放的なつくりなので、まず入浴は無理だろうと判断し、岩盤浴のあるお風呂に変更してもらいました。
…しかし、暑がりの夫は岩盤浴が苦手なので、早々に退散。
たぶん、夏はすごく快適なお風呂なんだと思いますよ。貸切風呂にもデザイナーズ椅子が置いてあったし、お風呂からアイスとかお酒を頼めるシステムがあって、もしかしたら一日中いられるかも。
でも冬がこんな状態でこの価格(38,000円~)では、怒る人もいるのでは。
二期倶楽部みたいに、ハイシーズンとオフシーズンで価格設定を変えるとか、冬の状態をごまかさずに対応するべきだと思います。
●パブリックバスにもまた衝撃が…!
ところが人生というのはわからないもので、「ふざけんな!」気分でしぶしぶ入ったこのパブリックバスが、すっかり気に入ってしまった私。
小さな共同浴場に岩をくっつけてリニューアルしたのがみえみえの、しょぼいお風呂なんですが、指を入れても見えないほどの濃い白濁湯。イオウの香りもすごくて、湯気の中にまで小さな粒子が見える。
こんなインパクトのある濃い泉質の温泉に入ったのは初めてで、ダンナも「すごいね、こんなの初めてだね」と、ふたりで何度も通ってしまいました。
…が、またまた落とし穴が。
二日目が終わる頃、ぽりぽり体を掻いているお互いの姿に
「…ねえ、体、かゆくない?」
「というか、乾燥してガサガサなんですけど」
「だよね!」
つまりこの泉質、あまりに刺激が強すぎて、肌がボロボロになってしまったのです…どこまでも私たちにはつらい、温泉でした…。
●食事にも喜びはなく…
インテリアは、パブリックスペースにもデザイナーズ椅子を置いたりしてかなりがんばっているのに、お料理が悲しいくらい旧態然とした「旅館の宴会料理…」。
豪華に見せる演出のテクニックがすべて。メニューのありきたりなら味も、ま、普通…。お肉にいたっては、スカスカのまずいお肉にベーコンを巻いてごまかし、それだけならまだしもしょぼしょぼの味の薄いソースをかけることでさらにまずくしている、ステーキ命のダンナさへ怒りを隠せないほどのひどい味で、逆に今も忘れられません。
たぶん、ここの板さんは肉料理が苦手なんでしょう…だったら無理して出さないで欲しいと思いました。だって「あと何品あるんですか?」ってたまらず聞いたほど、量だけはたっぷりだったんだもの。
…ということは、お品書きもなかったんだ、今思えば。
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このように「えらい目にあってしまった」という思い出しかないような宿ですが、意外にもそうではないのです。
なぜなら私たちは、ここで、旅館史上最高の中居さんに出会えたからです。
彼女の名は「M子さん」。
(強羅花壇からスカウトされた方だとか)
お部屋にお茶を運んでくれた時、
「お世話をさせていただく、M子でございます」
といわれ、中居さんで自分のファーストネームで自己紹介する人ってまずいないので、それが最初の衝撃。
恒例の、翌日の昼食のことをたずねると、宿では用意できないとのこと。できれば部屋にいたいんだけど…と伝えると
「でしたら近くにおすすめの喫茶店があるので、そこからサンドイッチをとられては?」
「コーヒーもいっしょに頼みましょう」
「二人分頼まれるのでしたら同じものではつまらないから、野菜サンドとミックスサンドを盛り合わせてもらいましょうね」
と一事が万事、先に先に、かゆいところに手が届くようにいろんなことを提案してくれる、「提案型中居さん」だったのです。
あんまりおいしくなかった食事も、持ってきてくれた彼女の口上がすばらしく、とんでもなくおいしいお料理のような錯覚がしたほど(食べる瞬間までですが…)。
とにかく、その心遣いのすごさ、ホスピタリティ精神の徹底しているところは、感動の嵐。ダンナも私もすっかりファンになってしまいました。
正直、M子さんにもう一度会いに行くために、来年の夏あたり、また行きたいと思っているほどです。。
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