旅館のライブラリーって、利用状況はどうなんでしょうか。インテリアの一部のように画集とか写真集、いいとこ「SEVEN SEAS」「家庭画報」あたりの雑誌でお茶をにごしているところも結構ありますが、それであまり不満を聞かないのは、別にそこで本気で読書をしようという人がいないからかもしれません。
ここのライブラリーは、「肩のこらないものを読みたい」「日常から離れた本が読みたい」「きれいな気分に浸りたい」というリゾートでの読書願望のツボをついているセレクションだと思います。
ただ照明が暗いので、夜は読書は無理。
せいぜい、バーカウンターに持っていって、お酒を飲みながらちらちら眺めるくらいが精一杯です。
でも、本に囲まれてお酒を飲むというのは、なかなかいいものです。
以下は、蔵書に関するメモ。
*映画関係、出版関係の本が多く、セレクションのセンスがいい。。例えば「蓮見茂彦~映画インタビュー集」「暗室日記」「アメリカのゲイ・ライフ」「ニューヨーカーとわたし」など。
*LDコーナーも充実していて、古典映画から落語、クラッシック音楽まで、ノートに記帳するだけで自由に部屋に持ち帰って鑑賞できる。私の宿泊時に記帳されていたのは「ドクトル・ジバゴ」「コルトレーン」「円生」。
*入り口付近の飾り棚の本をよく見ると、すべて「松岡正剛」の著書。「伝説的な編集者ではあるけれど、一般的に人気があるとは思えない著者なのに、あまりの充実ぶりにおどろいてスタッフに理由を聞いたら、「わかりません。オーナーの趣味ではないかと思われます」とのことでした。
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