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二期倶楽部回、延べ10泊

夫は床暖房・PC回線完備で天井の高い、
新館派。
妻はリゾート感のあるドラマティックな、本館派。


↑東館14号室(メゾネット)                ↑本館12号室の庭。

住所 栃木県那須郡那須町高久乙道下2301
電話 0287-78-2215
客室数 44
HP http://www.nikiclub.jp/index_02.html
食事場所 夕:レストラン 朝:レストラン
連泊スコア
★★★★★
  
東館のイタリアンレストランか、本館のカフェでランチは問題なし。いつもランチをゆっくりとって、その間にターンダウンをしてもらいます。
ひとり泊まり:OK
子供連れ:OK




 マークはマウスを置くと写真が変わります。


Guest room(本館)
渋くて、洗練されてて、そこはかとなく色気がある。本館の部屋のような女に私はなりたい。
2005年7月に泊まった本館12号室

↑奥の棚にティーセットが入っています。




↑明るくて気持ちのいいバスルームです。


2006年3月に泊まった本館14号室

↑ちなみに囲炉裏に火は入ってませんでした…
そこだけ無念…








最初に泊まった本館は12号室。
初・二期倶楽部体験は2004年3月。できたばかりの東館に泊まりました。で、2回目は本館を予約。その時「ツインベッドとダブルベッド、どちらがいいですか?」と聞かれ、「ではダブルベッド」とリクエストしたらこの部屋に。

そんなに広くないスペースなのに、部屋の中に割り込むように中庭をつくっているのにまず驚きました。でも私は、ただ面積を広くするより、断然こっちのほうが空間の広がりを感じると思いましたが、いかがでしょう?

万人に嫌われないテイストでまとめるホテル風とも旅館風とも違う、
「私こういうのが好きだから」テイストとでもいいましょうか…
女性オーナーの方が「個人の別荘のような宿を目指した」ということをどこかでおっしゃっていましたが、そういわれてみればまさに、趣味のいいオーナーが力を抜いてくつろぐための、気取らない別荘のイメージ。

お茶セットや小物もアジアのアンティーク風で、渋い中にもいい味があり個性的。思わず
「私もこういうのが好きですから~~」とふにゃふにゃになってしまいました。夫は「悪くないけど、あんまり明るくないから本が読みづらいし、ネットの接続環境もいまいち…」「次はやっぱり東館」オーラを放っていましたが。

またここはライブラリーも充実しているのですが(↓参照)、部屋にすでに本が2冊、置いてありました。
「那須いつも」(すごく趣味のいい地方誌)「銀器の歴史」(美術本)。このチョイスも渋くてうっとり。

そして、二期倶楽部のお部屋のバスルームはどれも、いわゆる露天風呂ではなくても窓が大きくて明るくて開放感と清潔感があり、すごく居心地がいいです。大きなタオルウォーマーがあってたっぷりかけられるのも、私のツボです。



あと、
ハーブの香りのMARKS&WEB製のアメニティも好きで、いつもは面倒なメイク落としと洗顔が楽しみになるほど、気に入りました。大浴場にも大きなボトルで置いてあって存分に使えるのが嬉しかったなあ。あまりに気に入ったので、恵比寿アトレなどにあるショップで購入して、普段から愛用するようになったほどです。


↑普通のアパートみたいな、実用本位の流しスペース。
ここも
「私そういうのこだわりないから」みたいな感じで
いいっす(
←もう何でも好きなバカ状態


二度目に宿泊した本館14号室
なんと堀ごたつ式で囲炉裏のあるお部屋! 
いわゆる「和モダン」なテイストです。
j普通、和室+ベッドルームってどうしても無理やりな感じがしがちですが、さすが二期テイスト。しっとりと落ち着いたベッドルームまで違和感なくなじみまくり。
お風呂あがりに大判の雑誌を広げながら、ビールを飲めるのが嬉しかった。
なごめました。


浴室はこの部屋の和の雰囲気に合わせた木製の浴槽。部屋のお風呂ではここが一番好きです。


冷蔵庫は、ワイン・シャンパン以外はフリー。でも不思議にフリーだとそんなに飲みたくならないような気がするのは私だけでしょうか…?


この池のところの6室が、二期倶楽部のスタートだったんですよね。
なので一番、二期テイストが濃い、と聞いたことがある(真偽不明)。
でもこの立地では、窓は開けられないのでは?という疑問がいつもわく…
次はここに泊まってみたいなあ。だんなは東館を主張するだろうけど。

Guest room(東館)
「この部屋なら、5万円以上出す価値がある」とダンナが激賞した東館14号室

2007年5月に泊まった東館30号室





↑なーーーんか、新宿のハイアット隣のコンラン・ショップショールームにいるような気持ちがしてしまうのは私だけでしょうか…
何から何までニクいほどお洒落なんですけどね…


↑2Fベッドルームにも小さなテラスと椅子・テーブルが。
下は通路なので、バスローブでだらだらはできませんが。

↑東館入り口。
この東館スタイルの打ちっぱなしの離れ、これ以降増えましたね…

ARCANA IZU]
とか源泉と離れのお宿 月とかに行った時は、二期倶楽部に来たような既知感が…

最初の宿泊は、2004年。
一番シンプルなつくりの45号室に泊まりました。

雑誌で見て最初に来たがったのは私ですが、
来て見たら、なんかデザイン住宅のショールームか、
コンラン・ショップの店内にいるようで、意外なことに
どうも
あんまり萌えず…

一方ダンナは、
萌えまくり!
「床暖房、あったかいわ~」
「明るいわ~」
「PC環境、文句ないわ~」↓



Ethernet のポートがちゃんとある!(要するにインターネットが使える)
コンセントの右『CATE5E/P』というのがソレ.
"Category 5" という規格で,100Mbps までの信号帯域を保証している。
(以上、ダンナ談。私にはなにひとつ嬉しさのない情報でした…)

その次に2007年5月、超ハードな仕事が半年続き過労死寸前の私を蘇生させるために、「宿泊代の上限は4万円まで」の掟を破り、5万7千円の30号室をダンナが予約。

なぜ4万円以内かというと、私たち夫婦の金銭感覚として、たとえどんなに素晴らしい宿であっても4万円以上出すんだから、これくらいよくて普通じゃんと感じてしまうので、そこに感動はないであろう、と考えていたからです。

東館スタンダードはぎりぎりの4万2千円(オフシーズン)
このメゾネットはプラス1万2千円の、5万4千円。私たち夫婦にとってはかなり腰のひける金額です…。

が、入室してびっくりの、ものすごい高い吹き抜けの天井!
全面窓なので、その迫力と言ったらありません。
ダンナは
「1万2千円でこの開放感が手に入るなら、絶対こっちがいい!」と何度も言ってました。

まさかダンナがこんなに「吹き抜け萌え」だったとは…!

Public Space
この宿が、スタイリッシュなのに冷たくない理由

↑本館・東館どちらでも、まず最初にここに通されます。


↑東館の大浴場・SPAルームからロビー方面を眺めたところ。カクテル・タイムはバーコーナーで、カクテルをサービスしてくれます。冬に行った時は、ホットワインでした。


↑2004年に行った時は、いろんな国のボトルがあって、イチゴが山盛りになっていた。その後、ボトルは1種類になりました。フルーツは時々見かけます。
↑暖炉の薪の置き方までも、美しい…。いつまでも見て痛くなります。

美術館のように素敵な宿もたくさんできていますが、二期倶楽部みたいに、品がよく、かっこよく、かつ居心地のいいパブリック・スペースを持つ宿はそんなにない気がします。

いろいろと理由はあるでしょうが、最大の要因はやはり、
サービスマンの質の差というところに行きつく気がするのです。
最初の宿泊時からずっと感動しているのは、ハード面の快適さもさることながら、なんといっても「人」。プロフェッショナルなサービスマンたちの、完璧な言葉遣いやにこやかな表情、スマートな立ち振舞いにしびれました。

今思えば、旅館にはよく行っていても、いわゆるホテル・デビューが遅かった私たちは、二期倶楽部に泊まるまで、こういうプロフェッショナルなサービスにあんまり出会ったことがなかったのだと思います。

彼らの気配りや気配に包まれているからこそ、スタイリッシュでも冷たさが感じられないのでしょう。

建物はかっこいいけど、スタッフの
言葉や態度が雑でびっくりする、っていう宿、多いですよね…。建物にお金をかけ、人件費でケチるその感覚が貧乏くさく、リフレッシュどころかむしろせちがらさばかりが感じられるしょっぱい宿…(←どこだよ)

これに対して二期倶楽部の場合、この空間を作りだしたオーナーのインテリジェンス、美意識が、サービスマンにまで透徹しているのをしみじみ感じてしまいます。
どの方も大人で、プロで、粋で、スマート。
そういう方たちにサービスされる贅沢さは、やはり旅館では味わえない。
ある意味、気合が必要な宿でもあると思います(特に女性にとって)。

左の写真は東館のSPAのラウンジ。
ちなみにここの温泉はお湯が真っ黒で下が見えないので注意を。私は最初に泊まった時に段差に気づかず、つっころんだ時の傷がまたふくらはぎにあります。「「段差注意」の文字がまた見えにくいんだ。かっこよすぎて

そして写真はありませんが、私は本館の大浴場もわりと好き♪
狭いし、開放感もありませんが、いかにも昔の温泉の大浴場という感じで
落ち着きます。



Restaurant
私の滞在クライマックス・タイムは、レストラン「ラ・ブリーズ」の階段を降りる時!


↑東館SPAの上にある、「ガーデン・レストラン」。連泊のランチはだいたいここで食べます。




↑暖かい時期は、テラスで食べると気持ちいいです。
本館のフレンチ「ラ・ブリーズ」と、東館のカジュアル・イタリアン「ガーデン・レストラン」がありますが、私たちはだいたい「ラ・ブリーズ」で朝食も夕食もいただきます。

おいしいのもそうですし、雰囲気がいいのもそうですが、何を隠そう私は、

ラ・ブリーズの階段を降りるのがたまらんくらい好き

なのです。
(はい、バカでーす)

エントランスから入り、ライブラリー兼バーを左手に見ながら、レストラン中央の広い階段を降りてフロアに入る…

このとき
階段の下で、ぴしっと決めたスマートな男性スタッフたちが、満面の笑みで迎えてくれる。食事中のお客さんたちもさりげなく注目する。
それがたまらなく快感なんです。

思えば最初に本館に泊まる時、ネットで調べたら
「ラ・ブリーズの客のファッションがゴージャスで、相当がんばったつもりでも浮いてしまってた」というレポートがあり、本当にびびったものです。

行ってみたら、カジュアルな方も結構いてびびることはまったくなかったのですが、でも確かに、相当ゴージャスでもまったく浮かない、装い甲斐のあるレストランではあります。

私は、「すごく欲しい。けどこんな派手な服どこに着て行けってゆうのよ」というような服を見つけると、「二期倶楽部があるじゃないか」と思います。
「どうよ!」という、がんばったファッションの時は下で待っているサービススタッフの笑顔が、3割増しくらいになる気がしますし。

という話を、今はもういない二期倶楽部のバーテンダーIさん(後述)に話したら
欧米の女性には、スタッフが手をとってエスコートするらしい。
なんか、宝塚の舞台の階段のようではありませんか。
羨ましいぞ!

「フランスの女性なんか、あそこの階段に立つと黙って僕たちに右手を差し出してきますよ」


ちなみに日本人でも、ご年配の方にはスタッフが進んでエスコートするらしいです。
私に残された道はそっちでしょうか…

Library
掘り出しものがいろいろあります



↑ここが松岡正剛コーナー。
この本棚、かっこいい!






旅館のライブラリーって、利用状況はどうなんでしょうか。インテリアの一部のように画集とか写真集、いいとこ「SEVEN SEAS」「家庭画報」あたりの雑誌でお茶をにごしているところも結構ありますが、それであまり不満を聞かないのは、別にそこで本気で読書をしようという人がいないからかもしれません。

ここのライブラリーは、
「肩のこらないものを読みたい」「日常から離れた本が読みたい」「きれいな気分に浸りたい」というリゾートでの読書願望のツボをついているセレクションだと思います。

ただ照明が暗いので、夜は読書は無理。
せいぜい、バーカウンターに持っていって、お酒を飲みながらちらちら眺めるくらいが精一杯です。

でも、本に囲まれてお酒を飲むというのは、なかなかいいものです。
以下は、蔵書に関するメモ。

映画関係、出版関係の本が多く、セレクションのセンスがいい。。例えば「蓮見茂彦~映画インタビュー集」「暗室日記」「アメリカのゲイ・ライフ」「ニューヨーカーとわたし」など。

LDコーナーも充実していて、古典映画から落語、クラッシック音楽まで、ノートに記帳するだけで自由に部屋に持ち帰って鑑賞できる。私の宿泊時に記帳されていたのは「ドクトル・ジバゴ」「コルトレーン」「円生」。


入り口付近の飾り棚の本をよく見ると、すべて「松岡正剛」の著書。「伝説的な編集者ではあるけれど、一般的に人気があるとは思えない著者なのに、あまりの充実ぶりにおどろいてスタッフに理由を聞いたら、「わかりません。オーナーの趣味ではないかと思われます」とのことでした。


二期倶楽部とわたくし
数々の「二期倶楽部トリビア」を教えてくれて去ったIさん、お元気ですか?

↑この橋にヒミツが…!


それは何度目の滞在の時だったでしょうか…。いつものように「ラ・ブリーズ」での食事を終えてバーでちょっと飲んで帰ろうか、という時に、ほかにお客が誰もいなくて暇そうだったバーテンダー、Iさんがいました。

「5分で帰るから」とダンナに約束したのに、1~2時間はいたでしょうか。あっという間。いやあ、私はあの人ほど話が面白いバーテンダーさんに出会ったことはありません。

そこで聞いた「二期倶楽部トリビア」の数々…例えば、
本館と東館を直結する橋をつくった時の苦心談は、さしさわりがありそうなのでここではご紹介できませんが、本当に抱腹絶倒でした。
しかしそんな手があったとjは…。


ちなみにあるとき、Iさんが
「そういえばなんであの橋、「たしろ橋」なのだろう」
とつぶやいたところ(そんな地名ないから)、とおりかかった他のスタッフが
「田代建設がつくったからでねーの」
と答えて通り過ぎたとか。なるほど、と一瞬納得したIさんですが
「…なんで建設会社が、うちの橋に自分の名前をつけるんだよ」
と、さらに納得できないものを感じたそうです。

また二期倶楽部のスタッフは、お皿を片づけるのと雪掻きは日本のどの宿より早い自信があるとか。そういわれてみると、確かに早いです…お皿を片づけるの。
以来、早く片づけたがる人を見ると「二期倶楽部のようだ」と思ってしまう私たちです…

そのほかにも、
「日本中の旅館を泊まり歩いている、超偏食(野菜と肉のほとんどが食べられない)で超ワガママなフランス人母子」の話とか、自分の生い立ちとか(これがまた小説みたいに波乱万丈。10歳くらいからヨーロッパの一流ホテルのキッチンで下働きをしてきたとか)、新作落語のような、芸人のライブのような、あのすごい話芸が忘れられません…

「自分の理想の宿をつくる」と目を輝かして語り、二期倶楽部を去ったIさん
いつかどこかの宿でお会いできるのを、心から楽しみにしています。

…and



自家菜園を持っているので、チェックアウトの時間には、お土産用の新鮮な野菜が本館カフェとロビーに並べられます。
上は、葉付き人参を大喜びで食べる我家のうさぎです。

フッターイメージ