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グリーンヒルズ草庵  2009年3月泊



今回、3回目の宿泊。

数年前、最初に泊まった時の印象はあまりよくなかったのですが、

ダンナがとにかくここの食事が気に入ってしまい、2回目の宿泊で私も納得。


価格も安く
(今回は楽天プランの週末価格で1万4千円弱)

家からドアツードアで2時間たらずという気楽さなので、

「今月はお金も時間も厳しい」


「でもどこかこう、ドキドキわくわくするところに泊まりたいよ…」

というせつない気持ちの時に

「そうだ、草庵行こう」

と思う、そういうありがたい宿です。








外観は洋館ですが、中のインテリアは和風ミックスです。



2F客室前に設けられたラウンジ風スペース。
このまえ来た時は「SEVEN SEAS」などの雑誌がおいてありましたが。









朝食がセッティングされた朝のダイニング。



ダイニングに通じるスペースはレストランユーズのお客のためのスペース。

住所 神奈川県足柄下郡箱根町仙石原1181
電話 0460-84-7600
客室数 6室
HP
食事場所 朝夕:ダイニング
連泊スコア

     
*ランチがとれるので連泊も可能。ただし部屋はおこもりに適したつくりではなく温泉もありません。。
ひとり泊まり:OK
子供連れ:10歳以下NG


Public space






最初に言っておきますが、この宿は足腰が丈夫でない方には厳しい宿です。

駐車場から、スキー場の上級者コース並みのきつい傾斜角度の石段をきりきり登らないといけません。
ヒールの高い靴、傷むと困る靴も避けましょう




ずんずん先を行くダンナの「もう3回目なのに、そんな靴で来る君の気持ちが僕にはわからないよ」と言いたげな冷たい視線が痛い…

玄関を入って左手にあるロビー(というかウエイティングルーム?)
右手の障子の向こうがダイニングルームです。
ここでチェックインの手続きをします





階段を上がって2階に行くと


ラウンジっぽい感じのソファが置かれています。
天井が高く、梁が美しいです






部屋番号は花の名前です。


Guest room








私たちが今回泊まったのは、2階右手奥の角部屋「菫」。

今まで出一番広い感じ、
二面が窓で明るく、かつ窓の外にパンジーのフラワーボックスがあったりして、豪華ではないですが居心地のいい宿です。

確か最初の宿泊の時は、部屋に冷蔵庫もなかったのですが(ルームサービスで頼んだら、乾きもののおつまみも持ってきてくれたのでおぼえている)、今回は冷蔵庫とその中にドリンク類も入っていました。最初の頃は予算が苦しかったのか、あるいはストイックすぎて客の反応が悪く、方針転換をしたのか、それは謎です…





フルーツケーキも自家製。ハーブティーもミックスタイプで「ハイビスカスとレモン」ほか2種類あり、神経をつかってチョイスしている感じ。ほかに粉末緑茶




トイレは下がフローリングで清潔感があり、広々。




お風呂も普通のユニットバスですが、広くて使いやすかったです。





温泉ではないけど、自然水をひいているそうです。



タオルと浴衣。

アメニティはごくシンプル。女性用の化粧品や洗顔石鹸はありません。



Dinner

アミューズ
ふかひれ入りロワイヤル グリーンピースソース自家製からすみ添え



おまかせオードブル
牛タンと春野菜のテリーヌ



こだわりスープ
コンソメ、フォーと棗(なつめ)入り



お魚料理
鯛と筍の海草蒸し


お肉料理
牛フィレステーキ チャイナソース添え


おつけもの



止め椀&桜ごはん


デザート
羅漢果のゼリーと白胡麻のムース



チーズ盛り合わせ







テーブルの上に小さな器があったので



蓋をあけてみると、タプナードでした。黒オリーブとオリーブオイルとアンチョビのペーストで、私はバターよりこっちが好きなので嬉しかった!






時間が来たので、階段を下りてダイニングルームへ。





ダイニングルームは畳敷きです。最初は抵抗あった。




漆塗りの折敷がテーブルマット代わりで、ナイフとフォークではなくお箸でいただきます。



アミューズ
ふかひれ入りロワイヤル グリーンピースソース
自家製からすみ添え

…だったのですが、がっついていて写真撮り忘れ…

ごくやわらかい茶碗蒸しのような卵料理で、グリーンピースのソースのやさしい甘さがよく合い、繊細なフレンチでした。

ここはお箸で食べるのですが、それがぴったりの味なんです。

まかせオードブル
牛タンと春野菜のテリーヌ

牛タンの箸でちぎれる柔らかさもさることながら、ゆるめのゼリーで固められたテリーヌの中の野菜のしゃっきりした食感がいソースとよくマッチして、悶絶。

こだわりスープ
コンソメ、フォーと棗(なつめ)入り

このコンソメがすごくおいしくてびっくり!棗は香りづけなので、食べないで残してよいとのこと。

お魚料理
鯛と筍の海草蒸し

鯛は桜チップで燻製し、若布と一緒に蒸してあります。
白ワインソースが添えてありました。

お肉料理
牛フィレステーキ チャイナソース添え


網焼きのジューシーなステーキでした。
ソースがちょっと変わっていて、中国醤油に黒酢をミックスしたもの。
付け合せのキタアカリ、椎茸(ここの庭で自家栽培したもの)ともよく合っておいしかったです。

ここでご飯が出ました。

止め椀

おつけもの
このおつけものがまた、三品どれもすべておいしかった!

ご飯は桜ご飯。桜の塩漬けを戻した汁で炊いたそうで、ほのかに桜の香りがして、これまた絶品でございました。

デザート
羅漢果のゼリーと白胡麻のムース

私がまだワインが飲み足りないのを察してくれ、「デザートの代わりにチーズの盛り合わせもできますが」と、気の利くサービススタッフの男の子が聞いてくれました。

もちろんそうさせていただきましたとも。
おかげさまで、ゆっくりとワインを飲みながら食事の余韻に浸ることができました。

チーズのお皿右上の「ブリア・サヴァラン」は生クリームをプラスしたフレッシュタイプのチーズで、ダンナのストライクゾーン! なので結局ダンナがほぼ食べてしまいましたが…



*****

今回のヒットは、このサービスの若い男性でした。出迎えも、チェックインも、夕・朝食のサービスもチェックアウト時の精算も、私たちが顔を合わせたスタッフは(夕食時に少しだけ手伝っていた若い女性スタッフを除くと)彼だけ。

ダンナ「きっと、ぎりぎりまでコストカットしてるんだろうなあ…(いろいろと身につまされることがあるらしく、悲しそうな遠い目)


お客は私たちのほかに3組ほどいたので、かなりきりきり舞いでしたが、すごく細やかに気がついて、控えめだけどすべてに目をくばられているという安心感があり、彼のサービルぶりを見ているだけで気分がよかった。


グラスワインのおかわりをした時に、ボトルに中途半端な量が残っていたらしく件の男性スタッフが
「最後なので、おまけします」
と多めについでくれたので
「今年一番嬉しいかも」(←やや本気)
と言ったら
「この冬一番ですよ、今年はまだこれから嬉しいことがたくさんありますよ」
と、笑いながらも生真面目に返してくれたのが、さらに好感度アップでした。



自家製パンは、すぐには持てないほど熱々。



タプナードをつけて食べると、たまらんのです。



Breakfast


















<メニュー>

*オレンジジュース
  or グレープフルーツジュース

*シリアル
*ミルク
*盛り合わせプレート
(地卵のスクランブルエッグ、自家製ベーコン/ソーセージ、サラダ、フルーツ)
*パン  
*コーヒー/紅茶



朝日を浴びて、ディナーとはがらりと雰囲気の違うダイニングルーム。




ダンナはオレンジ、私はグレープフルーツジュースをチョイス。


晴れていい景色でした



←私はじつはシリアルはあんまり好きじゃないけど、ここのはナッツとかドライフルーツとかいろんなのが入っていて、ちょっと好きです。







下から「かぼちゃとオレンジ」「トマトと杏」「柿」のコンフィチュール。
その上は夕食にも出た「タプナード」、その上はスクランブルエッグ用のケチャップです。

初めて食べた柿のコンフィチュールが、上品な甘さで意外なおいしさ!
今年の秋、つくってみようかな…


















朝の自家製パンは、少々甘めの2品。ちろん熱々。ここのパンはほんとうにおいしいと思うの。











スクランブルエッグは、コレステロールが低く栄養価が高く味の濃い、御殿場地鶏の卵使用だそうです。

すべて自家製というベーコン、ハム、ソーセージはすごく力強い味。




ソーセージはあまりにも歯ごたえが肉肉しすぎていて、ダンナは苦手だったみたいです。

とにかく肉質がしっかりしていて噛みごたえがあるせいか、見た目よりずっとボリューム感があるんですよ。



Dish




このダイニンこのダイニングの食器はほとんどが、オリジナルの有田焼きです。有田焼ってそんなに好きというほどじゃなかったけど、ここのはどれもみんな大好き。

食事が終わった後のお皿の景色もよくて、下げられるのが惜しいくらいです。



→販売もしているのですが、なかなかいいお値段で…。

いつか何かで一発あてたら、棚のお皿を買い占めたいというのが、私の夢です。






















「グリーンヒルズ草庵」とわたくし

思えば最初に泊まったのはまだオープンして間もない頃だったせいか、電話での道案内もグダグ

ダならレストランでのサービスもちぐはぐでした。

私たちが一番早く着席していたにもかかわらず、全員がコースなかばまで進んでも私たちのテ

ーブルにだけ何も運ばれず、その説明もない始末。私が頼んだワインが見つからなかったためと

後でわかりましたが、それにしても、あんまりなサービスっぷり。

短気な私は腹が立ちすぎて料理の味もろくにわからなかったという、最悪の出会いでした。

(ちなみに不機嫌がもろに態度に出ていたらしく、食事後半は私のグラスがあいた瞬間に

スタッフが光の速さでワインをつぎに来ていた…)



ところがダンナはこの時、草庵の料理にベタ惚れしてしまったらしい。その2年後に、珍しく強い

リクエストにより再泊。

さすがにスタッフのサービスも落ち着いていい味が出ていて、私も改めてこの宿のよさに開眼

したというわけです。


この時、サービスのスタッフの方が私を
「2年ほど前においででしたよね?」と記憶していて

私「あらーーーよくおぼえていらっしゃいますね」(脂汗)

スタッフ「それはもう…」
(配膳が遅いくらいであんなにぶーたれるお客は、そう簡単に忘れられないって)

お互い顔を見合わせて
黒い笑顔…。




料理はもちろんですが料理以外の部分、たとえば客室のインテリアなどは割り切って簡素に

徹しているのですが、料理のイメージを艶消ししない程度のレベルには整えられています。

その計算と合理性が、理科系の夫の心の琴線に触れたのではないでしょうか。

(そう考えると料理のみが突出していた「かいとく丸」のバランスの悪さが居心地悪かったのもわ

かります。私はそこもまた味があって面白いと感じた部分もあるのですが)。



昨年後半に止まった「箱根吟遊「熱海ふふ」「海のしょうげつ」などの、五感で非日常的な贅

沢に浸るドラマティックさはありません。

だけどそれとはまた違う、確かな清々しい喜びがある宿だと思うのです。



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